声に出す・まねて言う練習が、なぜ英語の音に効くのか。
誇張せず、研究で広く知られている考え方から見ていきます。
どれも新しい発見ではなく、心理学・言語学で以前から扱われてきた一般的な枠組みです。3つが重なり合って、「声に出す」練習の効果を説明します。
心理学のワーキングメモリ(作動記憶)研究では、耳で聴いた音声や自分の発した音は、頭の中で「音として一時的に保持し、心の中で繰り返す」仕組みが働くと考えられています。この仕組みは音韻ループと呼ばれ、認知心理学のワーキングメモリ・モデル(Baddeley らの研究で知られています)の一部として広く紹介されています。
黙って読むより、声に出して読んだりお手本を追いかけたりする方が、この「保持して繰り返す」働きが強く動くと考えられます。音読やシャドーイングが「聴くだけ」より定着しやすいと感じられるのは、この仕組みと関係していると考えられています。
第二言語習得の分野では、新しい言語の知識は最初「頭で考えながら使う」段階から、練習を重ねるうちに「考えなくても使える」段階へ移っていくという考え方があります。これは一般に自動化(automatization)と呼ばれています。
文法や発音のルールを「知っている」段階と、とっさに口から出てくる段階は別物です。同じ文を繰り返し声に出す音読・シャドーイングは、この「知っている」を「使える」へ移す練習として位置づけられます。自動化が進むほど、発音そのものに使う意識の負担が減り、内容や会話の流れに意識を向ける余裕が生まれると考えられています。
英語には、個々の発音記号だけでなく、文全体の抑揚・強弱・リズムというプロソディ(prosody)があります。プロソディは辞書のルールとして説明しにくく、お手本の音声にできるだけ近づけて声に出す経験を積み重ねる中で身についていくものだと考えられています。
シャドーイングやオーバーラッピングでお手本と重ねて声に出す練習は、個々の音だけでなく、この文全体の「音の乗り方」をまねる機会になります。単語ひとつずつの発音練習では届きにくい部分です。
この仕組みを、自分の声で確かめてみませんか。
毎日10〜15分。Day1とDay14の声を並べて聴くと、
変化に気づく瞬間があります。
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